今日は「お風呂掃除のHow」、その1です。
複数回に分けて実験を行い、お風呂の汚れとその掃除方法について考えていきたいと思います。
【まとめ】
お風呂の汚れ(カビ?)は、Lysol(sodium hypochlorite(次亜塩素酸ナトリウム)を含む)によって除去できた。
【はじめに】
≪ストーリー≫
アメリカに来てはじめて一人暮らしをし、掃除で四苦八苦しています。
簡単に、よく汚れが落ちるようにするために、洗剤選びは重要だと気が付きました。
そこで、洗剤についてインターネットで検索してみましたが、意見は様々。汚れのついたものや汚れ自体の種類が違えば洗剤やその使い方も変わってくるでしょうから、当然なのだろうと思います。
今回は私が頭を悩ませたものの一つ、お風呂の汚れをとるために試した洗剤を紹介し、その成分と汚れのとれやすさについて今回を含め、複数回にわたり実験を行うことで考えたいと思います。
≪洗剤とは≫
洗剤とは界面活性剤などを主成分とし、身体以外の汚れを落とすことを目的に作られた製品。
≪洗剤の種類≫
洗剤は用途別には以下の3種類に分けられる。
衣類用洗剤、台所用洗剤、住宅・家具用洗剤
今回は住宅・家具用洗剤、特にお風呂用の洗剤に焦点を絞りました。
【材料】
2種類の洗剤を購入しました。
Kaboom, Shower, Tub & Tile Cleaner with OxiClean
(Church and Dwight)
Lysol, Mold and Mildew Remover with Bleach
(Reckitt Benckiser)
【使ってみた】
写真のようなタイルとタイルの間の汚れ(カビと思われる)に対して2種類の洗剤を使用し、どちらの洗剤がこの汚れを落とす効果が高いか調べました。
各洗剤の使用方法に従って使用し、唯一写真の様に汚れをほぼ完全に落とすことができた洗剤は「Lysol」でした。Kaboomを用いても汚れの状態にほとんど変化はありませんでした。
Lysol使用前(写真上)と使用後(下)
右上の黒い汚れが取れました。
Lysol使用前(写真上)と使用後(下)
タイルの隙間全体の赤黒みがかった汚れが取れました。
【洗剤の成分比較】
なぜLysolのみがタイル間の汚れを落とすことができたのか、洗剤同士の成分(Active ingredient(汚れ落としに効果のある成分)のみ)を比較して考えてみました。
洗剤はそれぞれ1種類のactive ingredientを含んでいました。
・Kaboom
Sodium octylsulfonate
・Lysol
Sodium hypochlorite
2つのactive ingredientの違いはナトリウムイオン(Na+)以外のイオンにしかありません。
私はKaboomに含まれるsodium octylsulfonate(オクタンスルホン酸)はLysolのsodium hypochlorite(次亜塩素酸ナトリウム)に比べ酸化または還元をする作用(※)が弱いために、汚れを落とす効果が小さいのではないかという予想を立てました。
※酸化・還元:電子を放出したり(酸化)電子を受けとったり(還元)すること。これらによって、場合によっては原子の間に新たな結合ができたり切れたりして原子どうしのつながりが変わっていく。
【おわりに】
この予想を元に次回は、他の洗剤を購入する、もしくは自分で洗剤を製作して実験を行い、他にどのような成分で同様の汚れを落とすことが出来るか調べたいと思いました。
購入する洗剤の候補の1つは「Clorox, Disinfecting Bathroom Cleaner (Clorox)」です。この洗剤のactive ingredientはn-Alkyl dimethyl benzyl ammonium chloride 0.1375%とn-Alkyl dimethyl ethylbenzyl ammonium chloride 0.1375%で、こちらは洗剤中に塩素イオン(Cl-)が存在します。
Clorox, Disinfecting Bathroom Cleaner
(Clorox)
様々な洗剤の成分を検証すると同時に、汚れの正体が何なのかもはっきりとさせたいです。
こちらはどのように調べたらよいか、今検討中です。
漂白の仕組みについても、もっと勉強しなければいけません。
今回紹介した洗剤は家庭用ですが、取り扱いを誤ると危険です。
お風呂掃除の時、私はゴーグル・マスク・手袋を欠かしません。
皆さんも洗剤は気を付けて取り扱ってください。